
毎年、夏に開催される日本建築学会大会で新たな土地利用計画制度研究小委員会と共同でオーガナイズドセッションを企画・実施しています。
オーガナイズドセッション
2023年度大会
オーガナイズドセッション
テーマ「地方都市における空間改編手法」(都市づくりプラン研究小委員会との共同開催)5セッション17題 ,参加者数75名, 2023年9月14日実施@京都大学
【講評】
駅を中心とした拠点再編(7125~7128)
本セッションでは、駅を中心とした拠点再編に関する 4 編の発表が行われた。 7125 [川崎ほか]では、新さっぽろ駅周辺地区における空中歩廊「アクティブリンク」等を通じた複合化 ・シェアリングの効果と課題について報告され、各種物的要素をつなぐ専門家の存在の重要性等について議論が行われた。 7126 [澤田ほか]では、駅前広場の環境空間の変遷に関する調査結果が示され、環境空間割合に影響を与えるのは接続幹線道路数であること、一部機能を外出しすることにより環境空間割合を増加させた事例があること等について述べられた。 7127 [住田ほか]では、駅を中心とした都市機能配置を検討するための WS の有効性について述べられ、参加者属性に関する課題や WS で出された意見の質等について議論が行われた。 7128 [上野ほか]では、屋外家具の配置と人物量が街路空間の印象に与える影響について報告され、明らかにした印象の定義や平時の状況との比較等について議論が行われた。いずれの報告も、拠点としてのポテンシャルを持つ駅前空間をさらに魅力的にし、活性化させるための重要な知見を有していた。[姥浦道生 記]
地方都市における都市計画(7135~7138)
本セッションでは、地方都市における都市計画に関する4編の発表が行われた。 7135 [小林ほか] では、空き家、空地、駐車場などの非都市的土地利用に注目し、立地適正化計画の誘導区域における非都市的土地利用の立地分布と主要都市施設との距離関係について報告した。 7136[和田ほか] では、定住自立圏構想と連携中枢都市圏といった広域連携施策と、広域マスタープランの連携実態の把握から、空間的かつ内容的整合の実態について都道府県との連携状況が影響していることを報告した。 7137[相原ほか] では、全国の土地利用調整系まちづくり条例の見直し実態の調査から、条例改定は全体の 3 割弱で見られ、その要因は新しい種類の開発の出現と強い住民要望であることを報告した。 7138 [下田ほか] では、非線引き白地地域の特定用途制限地域制度の活用に注目し、幹線道路等の沿道地域における規制内容を類型化(誘導型・規制型)した上で、用途制限のレベルと担当者が感じる指定効果の関係について報告した。質疑は、4 編の発表後にまとめて行われたが、地方都市における各研究成果の可能性と課題について指摘があり、今後の研究発展につながる活発な議論がなされた。 [尹莊植 記]

2024年度大会
オーガナイズドセッション

テーマ「地方都市におけるリノベーションまちづくりと都市プランの融合デザイン」(都市づくりプラン研究小委員会との共同開催)3セッション19題 ,参加者数80名, 2024年8月28日実施@明治大学
【講評】
都市再生とそのプロセス(7049~7055)
本セッションでは、都市の集約化を背景とした都市再生とそのプロセスについて、立地適正化計画や主要駅周辺地域、公営住宅などを対象とした 7 題の発表があった。7049 [和田ほか]では、夕張市でのコンパクトシティ形成に向けた、大学の研究成果の反映、行政協議および計画策定、公共施設等事業の関係性の経年的プロセスの全体像が報告された。その経験から得られた知見について議論された。 7050 [丸岡ほか]では、既成市街地内の局所的な人口新陳代謝(転入人口の多さ)の実態と土地利用転換との関係性を分析する新たな方法が提案され、総量としては人口減少が進む地区でも、人口の新陳代謝が比較的活発なところが見出せることが明らかとなった。手法の汎用性が特長であり、手法の発展に向けた様々なアイデアについて議論された。 7051 [河合ほか]では、都市集約化において拠点的役割求められる公営住宅を対象に、立地の利便性を評価する方法の提案と現居住者の居住環境に対する意識調査の結果が示された。当立地性評価の公営住宅の今後の改修、整備、縮小方針への活かし方について議論された。 7052 [門馬ほか]では、高岡駅周辺地域を対象に、多様な主体による低未利用地の活用実態を詳細に記録し、行政による取組みと企業の事業としての取組み、個人の担い手による小さな取組みの 3 層構造がエリアの価値再構築につながっているとの考察が示された。 7053[平田ほか]では、立地適正化計画の策定から 5年以上経過した市町村を対象に、中間評価の実施および計画中の主要項目の変更の実態を概観し、その変更の特徴や理由が整理された。計画内に位置付けられている評価指標による集約化や政策の達成度の確認や評価結果に基づいた方針の変化の有無について議論された。7054 [松下ほか]では、津波避難困難地域と居住誘導区域の重なる地区を対象に、マルチエージェントシミュレーションを用いた避難行動の分析を行い、都市計画的対策の効果を提示する方法を提案された。人エージェントの考慮条件や分析エリアの特性など、今後のシミュレーションの発展性について議論された。 7055 [杉本ほか]では、津波浸水想定区域と居住誘導区域の重なる地区を対象に、複数の都市計画的防災策を比較する避難シミュレーションが行われ、津波避難対策の有効性が検討された。都市計画的防災策の中には居住人口を移動させる案も含まれ、この場合、都市集約化への効果も見込まれることが提示された。[長 聡子 記]
ウォーカブルと空間活用(7056~7061)
本セッションは、ウォーカブルな都市の方針づくりや公共空間、屋外空間およびその周辺地区が連携した空間活用に関する6題(うち1題は欠席)の研究発表があった。7056[久恒ら]は、ウォーカブル区域を設定した自治体を対象として、「計画への記載」「社会実験の実施」「ウォーカブル区域の設定傾向」「推進プログラムの活用状況」を調査し、プログラム活用に至るまでの詳細なプロセスを整理した。7057[貞野ら]は、同じく全国の「まちなかウォーカブル区域」を設定した自治体を対象として、区域内で実施された社会実験について「社会実験の計画時、実施後の市民参加」を整理し、実施主体別に見た市民参加の手法や課題を明らかにした。7058[小礒ら]は、気仙沼市役所庁舎移転後の跡地周辺地区のまちづくり指針を検討するWSでの参加者の意見や協議プロセスを通して、地区の具体的な将来のイメージを共有し、可視化することの重要性を指摘した。7059[茅嶋ら]は、池袋4公園構想を対象として、複数の都市公園の再整備及び運営管理、連携した取り組みにより、都市再生に寄与する都市公園の利活用手法に関する可能性を示唆した。7060[澤田ら]は、千葉市西千葉学園通りの幅員3.0m と空間的余裕の少ない歩道空間を対象として、歩行者通行量・沿道建物・歩道上のゾーンと滞留行為との関係を明らかにした。7061 [林ら]は、佐倉市の「佐倉秋祭」の店舗又は空き店舗と街路の間の外部空間を対象として、日常時と祝祭時の物的変化と活用実態の変化を明らかにした。[小林剛士 記]
暮らしのリデザイン(7062~7068)
本セッションでは、地方都市における暮らしの再編を示唆する都市計画的手法に関する 7 編の発表が行われた。7062[廣見ほか]では、新庄市エコロジーガーデンという文化財の保存から活用へ展開する 20 年以上の時系列と空間活用に注目し、各セクターのキーパーソンの継続的な関わりと空間的ゆとりが市民活動の発展へ寄与したことを報告した。7063[山口ほか]では、千葉市内の地域にコミュニティガーデンを設置する際の立地や運営に関する土地管理者や運営者との協議などのアクションリサーチから、 コミュニティガーデンの地域への副次効果を含めて報告した。7064[廣江ほか]では、千葉市街地へのコミュニティガーデンの設置に関する住民アンケート調査から、 設置場所や利用頻度・距離関係と属性・参加意欲についての分析を報告した。 7065[井上ほか]では、 彦根市の防災建築街区の老朽化対策や権利構造上の課題を明らかにするとともに、地域住民を巻き込んだ利活用促進とまちのリノベーションに向けた研究室の実践について報告した。7066[山田ほか]では、北海道下川町において、空き家ストックと移住者の定量的な把握をもとに、取得や改修費用と家賃を想定した買上型と借上型のマッチングビジネスモデルを報告した。 7067[尾門ほか]では、 北海道・東北地方の公民連携型住宅の類型調査と市町村のニーズ分析から各類型の適用特性と事業スキームについて報告した。 7068[後藤ほか]では、大分県竹田市の景観形成重点地区である竹田城下町地区の建物実態調査から、立地する地区や建築物種別と建築物の意匠の関係と景観ガイドラインの詳述可能性を報告した。質疑は各発表後に行われ、各地方都市の特徴を活かした研究の展開可能性と一般化に向けた課題について指摘があり、今後の研究発展につながる活発な議論がなされた。[佐藤芳治 記]
2025年度大会
オーガナイズドセッション
テーマ「持続可能な都市空間をプランニング・デザインするための新たな取り組み・技術・政策」(都市づくりプラン研究小委員会との共同開催)4セッション23題 ,参加者数85名, 2025年9月10日実施@九州大学
